免許・費用ガイド
狩猟免許は4種類。自分のスタイルに合った免許を選び、取得までの流れとお金の全体像をつかみましょう。制度の根拠から実際の金額感まで、はじめての人にも分かるように整理しています。
狩猟免許は4種類
免許は使える猟具で分かれています。複数を併せて取得することもできます。
狩猟免許制度は「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」(鳥獣保護管理法)に基づいて運用されており、 使用する猟具の種類によって網猟・わな猟・第一種銃猟・第二種銃猟の4区分に分かれています。 これは危険性や必要な技術が猟具ごとに大きく異なるためで、たとえば装薬銃を扱う第一種銃猟免許だけは 別途、警察の銃所持許可という追加のハードルが設けられています。1つだけ取得する人もいれば、 「まずわな猟、慣れたら第一種銃猟も追加」というように段階的に増やしていく人も多く、免許同士は排他的ではありません。
わな猟免許
TRAP- くくりわな・はこわな・囲いわな等
- 18歳から取得可能
- 銃不要で初期費用が軽い
- シカ・イノシシ対策の主力
- 兼業・週末ハンター向き
第一種銃猟免許
GUN TYPE-1- 散弾銃・ライフル銃(+空気銃)
- 20歳から取得可能
- 別途、警察の銃所持許可が必要
- 大物猟から鳥猟まで最も幅広い
- 本格派を目指すならこれ
第二種銃猟免許
GUN TYPE-2- 空気銃のみ
- 20歳から取得可能
- 装薬銃より所持のハードルが低い
- 鳥猟(ヒヨドリ・カモ等)中心
- 静かにコツコツ楽しむ猟
網猟免許
NET- むそう網・はり網・つき網・なげ網
- 18歳から取得可能
- 伝統猟法の継承者が多い
- スズメ・カモ等の鳥類が主対象
- 取得者は少数派の職人枠
免許取得までの流れ
狩猟免許試験は都道府県が年に数回実施しています。申請から合格まで、標準的な流れはこの通り。
試験日程を調べる
お住まいの都道府県の担当課(自然保護課・鳥獣対策課など、名称は都道府県によって異なります)のサイトで、試験日と申請期間を確認します。試験は年に2〜4回程度、地域によっては定員が設けられている場合もあるため、興味を持った時点でまず日程だけでも押さえておくのが安全です。→ 都道府県窓口一覧
受験申請をする
申請書・医師の診断書(統合失調症、そううつ病、てんかん、麻薬・あへん・大麻・覚醒剤の中毒者でないこと等を確認するもの)・写真・手数料(1種類につき5,200円)を揃えて提出します。診断書はかかりつけ医で作成してもらえる場合がほとんどですが、様式が指定されていることが多いので、都道府県の案内に沿った書式を使いましょう。
予備講習会を受ける強く推奨
都道府県猟友会が開催する試験前の講習会です。法令必須ではありませんが、技能試験で使う実物の猟具や銃に触れられる貴重な機会で、模擬問題も含めて対策できるため、参加者の合格率は大きく上がるといわれています。テキスト(狩猟読本)や例題集もここで入手できることが多く、独学より圧倒的に効率的です。
試験当日(知識・適性・技能)
試験は3部構成です。知識試験は法令・猟具・鳥獣・保護管理から出題される三肢択一30問・90分で、70%以上の正答で合格。適性試験は視力・聴力・運動能力(四肢の屈伸等)の基本的な確認。技能試験は、猟具の判別・架設・操作、銃の分解結合や団体行動時の安全確保動作などの実技で、減点方式により70点以上を残せれば合格となります。
合格・狩猟免状の交付
合格すると、住所地の都道府県知事から狩猟免状が交付されます。有効期間は3年間で、以後は適性試験と講習の受講によって更新していく仕組みです。更新を忘れると失効するため、有効期限はカレンダーなどに控えておくと安心です。
(銃猟のみ)銃所持許可を取る
装薬銃・空気銃を持つには、狩猟免許とは別に住所地の警察署で銃刀法に基づく所持許可が必要です。狩猟免許試験より時間がかかる手続きのため、免許取得と並行して早めに動き始めるのが実質的な近道です。詳しくは下の「銃所持許可の流れ」へ。
狩猟者登録をして猟へ
狩猟をする都道府県ごとに猟期前(多くは9〜10月頃)に狩猟者登録を行い、狩猟税を納付します。登録証と記章を受け取ったら、いよいよ猟野デビューです。実際に地域の獣害対策に関わりたい場合は、この後さらに有害鳥獣対策の実施隊への参加という選択肢も見えてきます。
銃所持許可の流れ(第一種・第二種向け)
日本の銃所持は厳格な許可制。時間はかかりますが、手順どおり進めば道は開けます。標準で3〜6ヶ月ほど。
猟銃等講習会(初心者講習)を受講
警察署に申し込み、講習と考査(筆記試験)を受けて講習修了証明書をもらいます。ここが最初の関門。
教習資格認定・射撃教習(散弾銃の場合)
身辺調査を経て教習資格認定を受け、射撃場で実弾を使った射撃教習を修了します。空気銃のみの場合、射撃教習は不要です。
銃を選んで所持許可申請
銃砲店で銃を仮押さえし、その銃について所持許可を申請。ガンロッカー・装弾ロッカーの設置も必要です。
許可証交付・銃の受け取り
許可が下りたら銃を受け取り、警察署で銃の確認を受けて完了。以後は年1回の銃検査や更新(3年ごと)で維持します。
費用の目安
「意外とかかる」も「思ったより安い」も、内訳を知れば怖くない。金額は地域・年度で変わるため、あくまで目安です。
狩猟にかかるお金は「①免許取得(初回のみ)」「②毎年の狩猟者登録(継続費用)」「③猟具・装備(初期投資)」の3層に分けて考えると分かりやすくなります。 ①は一度払えば3年間有効、②は狩猟をする年ごとに都道府県へ支払う費用、③は最初にまとまった額が必要になるものの、 わなや銃は長く使い続けられる「資産」でもあります。年間コストで見れば、ゴルフや釣りなど他のアウトドア趣味と比べても 決して突出して高いわけではありません。
① 免許取得にかかるお金(全免許共通)
| 項目 | 金額の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 狩猟免許試験 申請手数料 | 5,200円 | 免許1種類につき。一部免除者は3,900円 |
| 医師の診断書 | 2,000〜5,000円程度 | 医療機関により異なる |
| 予備講習会(猟友会主催) | 約10,000円前後 | テキスト・例題集代を含むことが多い |
| 証明写真・交通費など | 数千円 | — |
② 毎年の狩猟者登録にかかるお金
| 項目 | 金額の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 狩猟税(第一種銃猟) | 16,500円 | 登録する都道府県ごとに納付。 県民税所得割非課税者等は減額あり |
| 狩猟税(わな猟・網猟) | 各8,200円 | |
| 狩猟税(第二種銃猟) | 5,500円 | |
| 登録手数料 | 1,800円 | |
| ハンター保険(任意・推奨) | 数千円〜1万円程度 | 猟友会経由の共済・損保など |
| 猟友会 会費(任意) | 1〜2万円程度 | 大日本猟友会+県・支部会費の合算 |
③ 猟具・装備にかかるお金
| スタイル | 主な装備 | 初期費用の目安 |
|---|---|---|
| わな猟 | くくりわな(1基3千〜1万円)×数基、箱わな(数万円〜)、作業用具 | 1〜10万円程度 |
| 第一種銃猟 | 散弾銃(中古10万円前後〜新品30万円超)、ガンロッカー・装弾ロッカー(計3〜5万円)、講習・教習の手数料類(計5万円前後)、装弾・ベスト等 | 20〜40万円程度 |
| 第二種銃猟 | ハイパワー空気銃(10〜30万円)、ガンロッカー等 | 15〜35万円程度 |
※資格の維持費用
| スタイル | 主な資格 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 資格所持のみ | 狩猟免許の維持のみ、診断書、3年更新 | 3年毎2,900円*種数+診断書代 |
| +銃所持 | 所持許可更新手数料(7,200円)、経験者講習料(3,000円)、技能講習(約14,000円)、診断書 | 3年毎約30,000円程度 |
詳しくは警視庁ホームページや最寄りの警察署へお問い合わせください。