平素は格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます!
このたびは当社製品にご関心をお寄せいただき、重ねて御礼申し上げます。本書は、当社が取り扱う製品の仕様、見積条件、および免責事項をまとめたものでございます。
免責事項は本文より長く定められておりますので、恐れ入りますが末尾まで必ずお目通しくださいますようお願い申し上げます。
| 型番 | 品名 | 主要諸元 | 価格(CR) | 保証 | 危険等級 |
|---|---|---|---|---|---|
| VOID-C3 | 小型虚無炉 | 出力 1.2 MW eq./連続稼働 400 日/取扱資格 LV.2 以上 | 1,480,000 | 30 日 | III |
| HK-07 | 星喰残滓 精製ユニット | 処理量 12 kg/日 純度 94.2%/取扱資格 LV.3 以上 | 620,000 | 14 日 | IV |
| PRB-Σ | 確率演算装置 | 演算系 非決定/停止手順 未確立/設計 S.H.R.O.S. | 2,950,000 | なし | ██ |
| STB-12 | 境界安定剤(20L) | 容量 20 L 缶/有効期限 180 日/取扱資格 不要 | 38,000 | ── | I |
※ VOID-C3 は、虚無領域から引き上げた「何もなさ」を封じ込め、そこへ物質が落ち込む際の位置エネルギーを取り出す動力炉でございます。理屈は単純です。落とすものさえあれば、永久に回ります。
※ HK-07 は当社の主力製品でございます。箱庭世界倫理委員会の審査に最も時間を要した製品でもございます(申請から認可まで七年)。
※ PRB-Σ は設計図どおりに製造しております。稼働後の挙動に関するお問い合わせは設計元へお願いいたします。現在 SECTOR-03 にて稼働中(自走中)。
※ STB-12 につきましては、境界線観測財団より「効果が確認できない」との指摘を頂戴しておりますが、当社の試験では有意な差が出ております。
| 支払条件 | 前金 100%。分割応相談。 |
|---|---|
| リードタイム | VOID-C3 90 日/HK-07 120 日/PRB-Σ 受注生産/STB-12 14 日。納期は守ります。 |
| 返品 | 受け付けておりません。虚無を含む製品は、返却経路の同一性を保証できないためでございます。 |
| 見積の有効期限 | 発行時点をもって満了いたします。 |
| 免責条項の付帯 | 数量に応じて追加されます。減ることはございません。 |
| 実地試験 | 外部委託でございます。護衛・封鎖・事故収拾はすべて A.C.A.S. へ外注しております。当社は武装部門を保有いたしません。これは方針でございます。 |
| 価格について | 他社より三割安い点につきましては、ご評価をいただいております。 |
虚無は、掘れば出てきます。問題は、掘った穴が塞がらないことです。当社の主たる技術は、採取そのものではございません。採取したあとの穴を、可能なかぎり小さく保つ技術でございます。
| 項目 | 当期 | 備考 |
|---|---|---|
| 現在の到達深度 | -8,140 m eq. | 次期 目標深度 -9,000 m eq. |
| これまでに開けた穴 | 1,904 | 納入実績と同数。製品一件につき、穴がひとつ増えます |
| 閉塞に成功した穴 | 1,861 | 閉塞技術は当社の主たる技術でございます |
| 閉塞していない穴 | 43 | 所在地は取引先限定にて別途開示いたします |
| 主要採取地 | ████████ | 採取許可 発行元 ── 権益課 |
| 採取権益 保有数 | 61 | うち 12 件を転売済み |
※ 境界線観測財団より繰り返しご指摘を頂戴しておりますとおり、当社の採取実施日と境界安定度の低下日には一致が見られます。因果については、当社は主張も否定もしておりません。
※ 深度が 100 メートル増すごとに、引き上げられる素材の純度は 0.4% 向上いたします。数字はそれだけのことを申しております。
※ 閉塞していない穴に関するお問い合わせは、営業部ではなく権益課までお願いいたします。
お取引先各社より頂戴いたしました文書の一部を、掲載の許可を得て紹介させていただきます。
境界線観測財団 / 観測第 4,411 報 添付当該事業者の採取実施日と、境界安定度の低下日は一致している。因果は主張しない。一致のみを報告する。
観測点 B-17 / 観測員 № 0442
A.C.A.S. / 作戦後報告 抜粋04:17:22 現着。危険等級 I と申告あり。実測 IV。02 名離脱。以後、当該事業者の申告値は使用しない。
第1即応隊「猟犬」
S.H.R.O.S. / 検収所見設計は正しい。製造で壊れている。誤差 0.008 の公差指定を守った形跡が見当たらず、この点については再現実験を提案する。実に興味深い。
監査部
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