S.H.R.O.S. / SPECULATIVE HYPOTHESIS RESEARCH ORGANIZATION, STRATEGIC LAB / 思弁仮説研究機構 戦略研究所
本申請は六度差し戻されている。本版は七度目の提出である。内容の本質は第一版から変更していない。変更したのは、数値と語順である。
証明は仮説を殺す。
世界は問われることで形を得る。
HYPOTHESIS
問いは観測に等しい。
観測を停止した世界は、本当に消滅しているのか。
消滅を観測した者は、ひとりもいない。
観測を停止すれば世界は自然に消滅する、というのが現行の理解である。当研究所はこれを否定しない。ただし、この理解は観測されていない。
消滅を確かめるには観測を要する。観測すれば消滅しない。したがって、現行の理解は原理的に検証されえない。検証されえない命題が、規則の根拠として用いられている。
本実験は、観測を停止した世界に対し、停止後に一度だけ観測を再開することによって、当該命題を検証するものである。
対象は 。住人の有無は確認されていない。確認には観測を要するため、確認しないまま停止する。
住人がいた場合どうなるかは、実験の結果として得られる。REVISION HISTORY / 倫理委員会
PROCEDURE & MATERIALS
| 資材 | 調達先 | 数量 |
|---|---|---|
| 境界安定剤 STB-12 | VOID Tech | 24 缶 |
| 観測機材 一式 | 境界線観測財団(貸与) | 1 式 |
| 撤去・警備 | A.C.A.S. | 1 個 小隊 |
| 記録媒体 | 自製 | ── |
財団への貸与依頼は、用途を「常時観測」と記載して提出した。実際の用途は撤去である。
用途は虚偽ではない。撤去するまでは常時観測している。HYPOTHESIS GENERATOR / 試作
仮説部が用いている立案補助装置である。押すたびに一件立案される。採否は問わない。立てることが目的である。
SHR-EXP-____
押してください。
CORRESPONDENCE
本件について、当委員会は六度にわたり差し戻している。差し戻しの意義について、貴研究所の見解を求める。
回答: 数値を改めて再提出する。
撤去の委託は受ける。ただし、手順書に「待機」とのみ書かれている時間帯に、現場が何をすればよいのか記載されたい。
回答: 待機である。
本実験の記録は納本されるか。受理 / 不受理 / 保留 の判定に要する。
回答: 未定。
※ 本頁を箱庭次元研究機構ポータル内に掲載するにあたり、同機構の監督機関より下記注記の併載を求められた。当研究所の見解ではない。